第17戦・ブラジルGP決勝 [アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ(1周4.309km)]
60年以上前に建設された珍しい反時計回りの、ここアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ、サーキットの名前は1977年に飛行機事故で他界したブラジル人F1ドライバーの「ホセ・カルロス・パーチェ」に由来する。
1986年以来、21年ぶりの三つ巴となった最終戦、気温36℃、路面温度63℃のドライ・コンディション。
今回、ここブラジルで中嶋悟の息子、中嶋一貴が、日本人ドライバー最年少の22歳283日でF1初出走、ウィリアムズのマシーンに乗り、19番グリッドからのスタートとなる。また、A・スーティルはピット・スタートを選択している。
レッド・シグナルが消灯。PPのF・マッサが2番グリッド・スタートのL・ハミルトンをブロックすると、3番グリッドについたK・ライコネンが外側からハミルトンを交わして2番手に浮上。更に1コーナーでハミルトンが膨らんだ隙に4番手スタートのF・アロンソも3番手へ。またハミルトンは、続く第2コーナーでオーバー・ラン、8位へと一気に順位を落とす。
マッサ、ライコネンのワン・ツー体制となったフェラーリは、互いにファステスト・ラップを更新しながら、アロンソ以降を引き離していく。そして8周目、ハミルトンに更なる悲劇。ギア・ボックスのトラブルでマシンがスロー・ダウン。最後尾18位まで順位を落とす。数周後にも同様のトラブルが発生するが、なんとかペースを取り戻したハミルトンは、ここからオーバー・テイクを連発、前を目指す。
上位勢では、マッサからピット・ストップを行なう。翌周にライコネン、その次の周回にアロンソがピット・ストップ。上位3名がハード・タイヤのままコースに戻る中、ハミルトンは1回目のストップでソフト・タイヤを選択、3ストップ作戦の賭けにでる。
今週がF1初参戦となる中嶋一貴は、ピット・ストップの際にタイヤをロックさせてしまい、ピット・クルーをはねてしまう。メカニックに大きな怪我はなかったものの、救急車で運ばれていった。
33周目、ペースの上がらないアロンソをR・クビサが、交わし3番手へ。ライコネンのワールド・チャンピオンの可能性が高まるも、クビサは3ストップ作戦を採っていたため、やはりライコネンは1位を取る必要がある。後にクビサがピットへ入り、アロンソは単独3位の走行となる。ハミルトンもついにポイント圏内に突入。前方では、トップのマッサがブレーキング・ミスをすると、2位のライコネンが一気に距離を詰め、終始2秒程度のギャップで追いかける。2度目のピット・ストップもマッサが先。この間にライコネンは自己ベストを更新。3周後、ライコネンがピット・ストップを終えピット出口に差しかかると、コース上にはマッサの姿が見える。しかしライコネンが前でコースに復帰。マッサはチーム・オーダーをすることなくトップをライコネンに譲ると、後はサポートに徹する姿勢でペースを落としライコネンとの距離を取る。ついに上位3台はライコネン、マッサ、アロンソ、そしてハミルトンが8番手となり、この時点で再びワールド・チャンピオンはライコネンの可能性を強める。
ハミルトンは諦めずに前を追い、J・トゥルーリが最後のピット・ストップを行なったため、7位まで浮上。また、N・ロズベルグ、クビサ、N・ハイドフェルドの3台がサイド・バイ・サイドの4位争いを演じていく。ライコネンは最後まで落ち着いた走りを見せトップでチェッカーを受け、マッサも2位で、フェラーリが3戦ぶり今季4度目のワン・ツー・フィニッシュ。今季チーム9勝目を飾った。フェラーリの2台に続き、1周遅れのハミルトンもフィニッシュ、7位。アロンソは3位でチェッカーを受けた。
この結果、ライコネンが今季最多勝となる6勝目、通算15勝目を獲得。これで第7戦アメリカGP終了時に最大26ポイント開いていたハミルトンとの差を逆転、最終的にドライバーズポイントを『110』とし、『109』で同ポイントとなったマクラーレンの両ドライバーを1ポイント上回って自身初のワールド・チャンピオンの座に輝いた。1ポイント差でドライバーズタイトルが決まったのは、1994年以来13年ぶり。また上位3ドライバーが1ポイント差以内でシーズンを終えたのはF1史上初のこととなった。フィンランド人ドライバーのワールド・チャンピオンは1982年のケケ・ロズベルグ(ウィリアムズ)、1998年、1999年のミカ・ハッキネン(マクラーレン)に続く3人目。
すでにマクラーレン・スパイ事件の判定により、フェラーリのコンストラクターズタイトルは決まっていたが、最終戦でドライバーズ・タイトルも獲得し、2004年以来の3年ぶりダブル・タイトルを奪還した。
母国GPであるR・バリチェロはリタイヤに終わり、F1参戦15年目にして初のノー・ポイントでシーズンを終えた。
結果